萩原町戸苅の小字に「御払」という地名があります。村の中の小高い所で、藪の中に朽ち果てた古株があり、その傍に天照皇太神の石碑が立てられています。

 かつてこの付近一帯は木曽川の古流跡で、南北朝のころ、度々この付近の住民を洪水で悩ましたといいます。そこで村人達は、何とかしてこの洪水の危難を免れるようにと伊勢の皇太神宮に願かけをして代表を送り、お守札を受けて来ました。それを村中総出で堤上に奉祀したところ、ふしぎや、その後は洪水の害を受けることがなかったそうです。

 村人達はこれを記念して松を一本植え、霊木として尊崇しましたが、この由緒深い老松も昭和の始め枯死し、これに代わって石碑が建てられました。今でも旧暦二月十六日には神官がきて、御親祷を続けているそうです。