艶金興業株式会社の事務所であった墨会館は、昭和32年に竣工し、設計は、当時東京大学工学部建築学科助教授であった丹下健三氏。敷地はノコギリ屋根の工場に隣接しているため、1階部分全体は、わずかの窓がうがたれたコンクリート壁で囲まれ、外部に対して閉鎖的にしている。また、周壁上端と屋根部分との間に水平スリットを入れ、外周壁部分は荷重を支えない構造としている。
 閉鎖的な外部に対して内部空間は開放的で、伝統を踏まえたコンクリート構造表現を追求した、建築家・丹下健三氏の代表的建築のひとつといえる。
      
   
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