昔、山の腰から新川落口までにかけて、胴の回り三尺位の大蛇がいるといわれていました。五日市場、伝法寺、清須、落合の人が多く見たといわれています。

 ある日、五日市場の人が舟に乗って蓮華寺橋より北一町の所で投網を打っていると、上流からたいまつの木が流れて来るのが見えました。そこで、連れの人に舟を漕がせてその側に寄り、とび口で引き寄せようとしたら「ぽん」と音がして沈み込み、また前方に浮かび上がりました。また漕がせて近くに寄り引き寄せようとしたら、今度は大きな音を立てて跳ね返り、大蛇の姿を見せて逃げていきました。投網を打っていた人は驚いて逃げ帰り、そのまま床について死んでしまいました。漕ぎ手の人は助かり、時々その時の様子を人々に語っていました。また伝法寺の人々が下之郷の杁先に袋網を張って魚を捕まえていたら、網が数箇所剃刀で切ったように破られてしまい、きっと大蛇の仕業であろうとうわさし合ったそうです。それ以来、その杁先で魚を捕る時は、火をたいてから網を入れるようになったといいます。