奥町に眼から血を流した痕のある地蔵様があるそうです。

 老婆曰く「昔、可憐な一少女が美濃の方から木曽川を渡ってこの奥村(現在の奥町)に来た。その少女は常に子供は一度死んだら必ず地蔵様の所へ行くのだと母親から言い聞かされていた。偶然、路傍の一地蔵様の前を通り過ぎようとして、ふと一度お参りしていこうと思い我を忘れて一心にお参りしていた。すると突然「エーツ」という声がした。と思うと瞬間目前にキラキラと閃いたものがある。驚いた少女は絹を裂くような悲鳴を挙げて逃げていった。後になって地蔵様を見ると目の下五寸の所へ血が流れている。それからは何度その血を拭いても拭いても流れ出て痕が付いているので皆の人がこの地蔵様はあの少女の身代わりになられたのだと言っている」と。