浅井町河端の氏神河俣上神社の境内に、太さ五抱えもある老杉がある。昔から、この木には天狗が棲むといわれ、ある時、隣村の人がこのかたわらを通ると、大杉の上がわずかに明るくなり、ビシビシと物の燃える音が聞こえ、はてはそのあたり一面が火の海と化した。

 また、ある主婦が夕方買い物に行くと大杉の前を通ると、空から「何所へ行く、何所へ行く」と突然、声をかけられ、転げるように隣村へたどり着いたという。

 夜泣きをする子どもには、大杉の葉を布団の下に入れておけば、夜泣きが止まるといわれ、また安産の神様として参詣する人がある。